温泉豆知識

鍼灸師が温泉の効果を考える【ヒートショックプロテインとは?】

皆さん、「ヒートショックプロテイン」という言葉をご存知ですか?

今回はなんとなく耳にしたことがあるこの「ヒートショックプロテイン」を掘り下げたいと思います。
実はこの「ヒートショックプロテイン」鍼灸の灸治療の際にもとても大事になるので
鍼灸師のしずかが皆さまにもわかりやすいように、科学的根拠を示すため論文も紹介しながら説明していきます。

 

ヒートショックプロテインとは?

赤ちゃん 疑問

ヒートショックプロテインってなに?

ヒートショックプロテイン(heat−shock protein:HSP)とは簡単に説明すると
「傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質」のことです。

ヒートショックという名前の通り、身体への熱の負荷(熱ストレス)ではもちろん、
他にも虚血、感染、放射線等の種々のストレスによっても誘導され、
蛋白の変性を抑制するとともに変性した蛋白の修復を行います。

分子量によりHsp60、Hsp70、Hsp90などに分類されています。

 

ヒートショックプロテインの働きは?

ヒートショックプロテインの働きは、先程も述べたように「蛋白変性を抑制と修復」なのですが、
ここではもう少しわかりやすく説明していきます。

まず細胞に熱ストレスや化学ストレスがかかると、ヒートショックプロテインと呼ばれるンパク質の合成が誘導されます。

ヒートショックプロテインが誘導された細胞は、ストレスに対する耐性を獲得するします。
つまり、ヒートショックプロテインが誘導されるということは、
カラダが外部環境の変化に適応して生存するために必須のシステムなのです。

 

HSP70とは?【難しいのでとばしてもらってもOKです】

HSPの中でもHSP70は熱をはじめとするストレスに対し最もよく誘導されるため広く研究されてきました。

損傷を受けた個体の血液中や皮膚欠損部に再生する肉芽組織中において、
HSP70の発現する量が多い程、その個体の創傷治癒が良好である事が示唆されています。

参考文献:「熱傷創の局所における HSP 27 および HSP 70 の発現と分布 -ラット表皮において- 」

このように、HSP70細胞を守る働きが強く、心臓や消化器、肺など、様々な臓器を守ることが報告されてきました。
また、女性には嬉しい情報として、このHSP70は表皮にも多く存在し、シミやシワを防ぐ役割も持っているのです。

HSP70とはHSP70ファミリーに属するタンパクを指し、
単にHSP70といった場合、通常は様々なストレス暴露後に誘導される Hsp72のことを意味します。
正常状態の細胞ではHSP72は微量で、ストレス暴露後に飛躍的に増大します。

 

HSPを高める入浴方法とは?

HSP 入浴方法

HSPを増やす方法とは?

このように熱ストレスで増えるHSPはカラダを元気にさせてくれます
そして私たち日本人には普段の中にHSPを増やす習慣が身についています。
それは「入浴」です。

入浴によってHSPを増やすには少しコツが必要です。
そのへんをお伝えしていきます。

HSP入浴とは?

HSPを増やす入浴方法として、
HSPプロフェクト研究所の伊藤要子先生が提唱している【HSP入浴】があります。

HSP入浴法とは、入浴によりHSPを効率的に増やす方法です。

 

HSP入浴法

出典:HSPプロフェクト研究所HP「HSP入浴法」

HSP入浴の目的

HSP入浴の目的は、HSPが増える環境つまり体温を38℃にすることです。

そのために、42℃なら10分、41℃なら15分、40℃なら20分入浴をします。
普段長く湯船に浸かる習慣がない方は、体温を温めるのに効果的な血行促進作用のある入浴剤を使用しましょう。
例えば、炭酸ガス系入浴剤で血行を良くしたり、無機塩類系入浴剤で保温効果を高めるのが良いでしょう。

体温が38℃まで上昇したら、お風呂から出て10〜15分保温することで熱が全身にいきわたりHSPを増やす環境が整います

HSPは入浴の2日後をピークに1~3日後ごろまで増加するため、この入浴方法は週に2日程度行います

入浴の注意点は?

このように日本人の大好きなお風呂にはとてもカラダに良い効果がたくさんあります。
しかし、入浴は熱ストレスというくらいなので、カラダにとって負担にもなります
そのため、高齢者や小さいお子様、心疾患を患っている方は注意してお風呂を楽しんでください。

ポイントとしては
まず水分を十分に補給することです。
入浴前にコップ1杯の水、入浴後にコップ1杯のスポーツドリンクなど入浴前後にしっかり補給します。
一度にたくさん飲めない方はお風呂の中にペットボトルを持っていき、こまめに補給するのも良いでしょう。

また、特に冬場は入浴による急激な温度変化によって血圧が急上昇、急降下し死亡事故が多発します。
入浴前にお風呂の蓋を取るなどして浴室、脱衣所を温めておきましょう。


出典:消費者庁 News Release「冬場に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください! 」

 

3、おまけ「年々日本人の体温が低くなっている?」

体温計

最後に日本人の体温についてお話したいと思います。

あなたの平熱は何度ですか?

突然ですが、あなたの体温は何度ですか?

健康的な人の平熱は36.5~37.1℃といわれていて、50年前の日本人の平熱は36.89℃だったといいます。
この数値を効いて「高い!」と感じた方が多いのではないでしょうか?

そうなんです。
最近は平熱が36℃に満たない「低体温」の方が増えているのです。

 

低体温の危険性

体温が36℃に満たない「低体温」には様々な危険があります。

体温が1℃下がると、免疫力が30%落ちるといわれていますし、
35℃台になるとがん細胞の増殖が盛んになります。

また、女性は月経異常になりやすいですし、
最近多い子どもの低体温は体力や集中力の低下が心配されます。

 

低体温を改善するには

運動により筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることです。
しかし、すぐには難しい…

そこでお風呂好きの皆さまに実践してほしいのが、「体温を1日1度上げる生活」です。
どんな生活かというと、毎日「入浴」するということです。
HSP入浴のように15〜20長風呂しなくても、毎日5分は湯船に浸かるようにしましょう。

体温が1℃上がれば免疫力が4〜5倍アップするといわれています。
毎日の入浴習慣で健康を手に入れましょう!

 

まとめ

入浴 赤ちゃん

お風呂好きの皆さまなら、なんとなく「ヒートショックプロテイン」という言葉を耳にしたことがあると思います。

今回はそのヒートショックプロテインについて深堀りしました。
そして、ヒートショックプロテイン(HSP)が増える環境を整える入浴方法についてもお話しました。

現代の日本人は低体温の方が増えているので、毎日の入浴習慣を身につけ健康になりましょう。

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